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あらすじ

STORY

2004年、日本のGID当事者たちが待ち望んでいた『GID特例法(性同一性障害者の性別の取扱いの特例に関する法律)』が制定された。
当事者として既に手術を経て性別変更を済ませている僕、浅沼智也は「当事者の現状を多くの人に知ってもらい、より生きやすい社会になるようにしたい。孤立しがちな当事者に、決して一人ではないというメッセージを送りたい」との思いから映画制作を決め、今まで避けていた「セクシュアリティの話」を父親と行いきちんと向き合ってみようと思い立つ。性別変更に賛成はしてくれなかった両親。お互い年月を経てもたらされる『変化』。
 今を生きる日本全国の性に揺らぎがある当事者にフォーカスを当て、心の内を聞くことで『他者に押し付けられる「らしさ」との葛藤』『就職活動の「性別の壁」』『未成年の子供がいないことや手術を必須としている「性別変更の法律」のハードルの高さ』などが、それぞれの思いとともに映し出される。
 同じ方向を向いていたはずの当事者たちは、それぞれの思いの強さ故に複雑な思いを抱えている。そして、GIDとトランスジェンダー、それぞれの思いが未来へと繋がっていく。


作品解説

COMMENTARY

日本のGID/GD/トランスジェンダー当事者が日常生活で直面する不安や孤独感など複雑な問題にフォーカスし、多くの人に知ってもらうために制作を行った。
2004年より性別が変更できるGID特例法が施行された。しかし、適用要件が高すぎることもあり、性別変更を望んでも要件を満たすことができずにいる当事者が少なからずいるという現状がある。戸籍上の性別を変更できないことで、精神的な苦痛を生じたり、社会生活をする上で偏見や差別に合うこともある。
監督自身の家族との関係やカミングアウトなど、小さな視点から問題点を浮き彫りにし、性別に悩む様々な当事者達の想いを描いた作品である。